有限会社沼田 沼田様

製品情報測定分析機器お客様の声有限会社沼田 沼田様

沼田社長
ノウハウがあれば、お米の生産はいくらでも成り立ちます。

プロフィール

きのこ(ブナシメジ)生産販売の傍ら、米の生産にも精力的に取り組む。
地域ぐるみでの高品質米生産を目指している。
食味分析鑑定コンクール金賞受賞。
お米日本一コンテストinしずおか最高金賞受賞。
長野県飯山市

導入のきっかけ

 お米のコンクールっていっぱいありますよね。
 キノコも品評会があります。国が行っている農林水産大臣賞などです。11月の新嘗祭は農林水産大臣賞をいただくと呼ばれるんです。
 キノコは賞だけで10種類くらいあります。農林水産大臣賞、林野庁長官賞、知事賞などあるのですが、自分はほぼすべてをいただいています。
 よいキノコだと証明するには、第三者の品評会で評価を受けるのが一番の強みだと思っています。
 お米も同じで、食味分析鑑定コンクールなどたくさんのコンクールがあります。そこで優勝するような米を作って第三者に認めてもらえる米を作りたい。 そのためには自分なりにデータを持っていないと作り方がわからないですよね。
 だから食味分析計や穀粒判別器が必要だと思っています。
 食味と整粒歩合の具合を測定しながら、このあたりが刈取適期だなとか、食味はこの辺りのところがいいなとか、整粒歩合が落ちてきてしまうな、などを明確にしたいという思いがあって購入しました。
 測定したデータを販売に生かすというところまでは、仕事(キノコ)が忙しくて現状では使えていません。 でも、測定器を利用して、よりよい米を作りたいという思いでやっていますし、それでコンクールの結果がついてきていると思っております。

美味しいお米を作る。自分はそちらを選びました。

 こう言っては何ですが、お米は植えてしまえば適当に出来て実ります。
 だから美味しいかどうかは別として、こだわりがなくても作れてしまう。
 また、キノコの話になるのですが、キノコって木から出てきますよね。朽ちた風倒木から出てくるんですけど、山の中で3年以上寝かせた風倒木を使ってキノコ栽培をしています。 そうすると本来、山にあるような感じの風味と歯ごたえのよい力のあるキノコが出来る。
 お米もやっぱり食べていただいて美味しいって言ってもらえるよう、自分で作るのならこだわって、食べておいしいものを作りたいと思っています。
 そのためにはやっぱり数値化が必要になりますね。
 それには食味分析計と穀粒判別器が必要となります。
 これから日本の人口はどんどん減っていきます。生産も面積が大型化していきますが、我々のような山手の方は作付けが減るにしても誰かが作るので、そこで差別化を図って生き残るには美味しいものにこだわっていくことかなって思っています。
 量を獲って安い値段で外食産業に出すという考えの方もいると思いますし、人それぞれ考え方が違う中、自分は美味しい方を選びました。
 美味しいお米を食べた方はリピーターになってくれるんですよ。でも、安めの米でいいっていう人は何でもいいんですよね。このお米が食べたいではなくて、この金額で買いたいの方になります。
 自分は美味しい米を食べたいという方たちと対話をしたいと思っていますが、金額で決める人はやっぱり金額だけになっちゃうと思うんです。その二分化になる中で、自分がどういう米を作りたいかという事になると思います。
 コンクールの常連さんは概ね食味分析計を持ってらっしゃいますよね。数値化してそのあとこうすれば良くなるとか、これやったから駄目だったとか試行錯誤して結果が出てくるんですよね。

お米の栽培と測定器の利用

 測定器でのデータは圃場ごとに行っています。
 毎年のデータは持っていますが、天候にもよりますがいいお米がとれる圃場はだいたい決まっていますね。 赤土の肥えていない土壌の米がコンクールで入賞する確率が高いですね。あとはコンバインに食味センサが付いているので、いい数字が出ると他とは別にします。
 食味センサでタンパクの低いものを乾燥して食味分析計と穀粒判別器で測定します。食味が良くても胴割5%以上あるとコンクールはダメなので、なるべく割れないようにと考えていますが、刈取適期はすごく短いので兼ね合いが難しいですね。
 生産管理をしていくには測定器はすごく必要だと思います。
 施肥管理についても過去のデータと結果から行っていますが、近年気候が厳しいので、追肥しないと胴割れが発生してしまう。でもしすぎると食味は落ちるし、このあたりが一番難しいところですね。 
 あと、水は大事ですね。水稲って書くじゃないですか。うちは裏山のてっぺんにある湖から水を取っています。 以前、御殿場の辺りで生産されている方から聞きましたが、御殿場のお米は富士山の伏流水を使っていて、すごく冷たいそうですね。羨ましいなって聞いたときは思っていましたけど、やはりきれいな水を使うことでおいしい米ができるのかなと感じています。
 あと、寒暖の差があるといいものが出来るかなと思っています。昨年みたいな猛暑だと平場は大変ですね。この辺りだと標高300mくらいだとコシヒカリの栽培がちょっと難しいかなと感じています。 標高500mくらいないとよい米が出来ないですね。2,30年前は標高500mもあるとコシヒカリ適地ではなかったのですけどね。品種改良も必要だと思いますね。
 コンクールに出す人たちは、ほぼみんな自分のところへ米を持ってきて測定器で測っています。食味分析計と穀粒判別器の両方を持っているのは近所では自分だけなので。測定してみて、これならいけると思うものはどこかのコンクールで必ず入賞していますね。 コンクールではみんな実際に食べていただいての評価なので信ぴょう性がありますよね。
 美味しいお米作りは自分一人だけじゃいけないなって思っています。この地域をPRするための仕事と思っています。 だから、ブランド化していくには必ずこのような測定器が必要だと思います。
 でも、やはり初期投資で200万とかかかると、それなら代かき機2台買った方がみたいな考えになりがちですが、そこから先、販売をどうしていくのかというのがやっぱり難しいですよね。 食味分析計を買うならほかの機械を買った方がいいと考える人もいるのでしょうけど、自分は初期投資のコストはしっかりかけています。その方が後々楽なんですよ。
 測定器の使い方って、おいしい米を作りたい。それによって地域の人たちも同じようにいいお米を作ってもらいたい。測定器を導入した目的はそこにあって、コンクール受賞や高くお米を売りたいではなく、真の狙いは全く違うところにあります。コンテストに受賞するのも、高い値段で売れるのもあくまでも後からついてきた結果です。測定器を使う根本的なところは、美味しい米を消費者に届けたいということと、自分だけではなくて、周りの地域の人たちも一緒になって美味しい米を作っていくことです。
お米の品質を明確に数値化して、自信を持って販売できるお米を作っていきたいですね。

お米の販売についてお伺いしたいのですが

 15町程しか作っていないし、そんなに売り込みもかけていないのが現状です。
 ほぼ全量を農協に出しています。特別栽培米の認証を取っていますので、通常とは別ルートでの販売の形をとっています。
 知り合いの大きくやっている生産者からは、「自分で売らないと儲からないぞ」って言われていますけどね(笑)
 生産については、自分は二つのグループに所属しています。一つはもう30年近くなるグループですが、それは特栽でやっていてカントリーを借りて出荷しています。 もう一つは地元でカントリーの1ビンを借りて、専用のビンで乾燥をしています。
 コンバインの食味センサで別にしたお米は、食味分析計と穀粒判別器で確認をしてから自前で取っておきます。 この中からコンクールに出品しています。 これらを販売するのは最後の方になるのですが、コンクールで賞を取るお米もあるので、買っていただいた方には美味しいって言っていただけます。
 今は農協に出していますが、営業経験のある従業員もいるので、米の営業もやってみないかという話はしています。自分ももう60歳なので長くはできない。従業員がやる気があるなら将来的に譲ることも考えています。 それで自前での販売も今後は必要と考えてはいます。
 販売と種と栽培技術のノウハウをしっかり持っていれば米の生産もいくらでも成り立つと思っていますよ。 お米の生産は決して儲からない仕事じゃないと思っています。